私が小さい頃から大好きだった物語。
それは、「レ・ミゼラブル」。
正確には子ども向けに書かれた「ああ無情」という本でした。
どれだけ好きだったかというと、

読書感想文を、2回も書くくらい!
中学生の時に一回、そして高校生の時に一回。
高校生の時には、
あまりに文章に物語愛が溢れていたのかコンクールで入賞し、
副賞に5000円の図書券(当時は、券でした・・・)をいただくほど。

いただいた図書券で、文庫本の「レ・ミゼラブル」を全巻買いました!
そのくらい、このお話が好きでした。
不完全で人間味溢れる主人公が、
人の温かさに触れたことで心を改め、
他の人達のために生きる姿が心に、ぐっとくるのです。
大人になってからも、独身の頃舞台を2回観ました。
その時、「家族ができたらみんなで必ず観よう!」と決心。
その夢が今回、やっと叶ったのです!!!
ただ・・・。
4月といえば、教員はめまぐるしく忙しく、
子どもたちもそれぞれ環境が変わる中で、頑張る時期。
日にちが近づくにつれて、私は少し不安になってきました。

もしかしたら、私のわがままに家族をつきあわせただけかも・・・
私にとっては一押しの舞台だけど、
他の家族にとってはどうだろう?
お金も時間も使って、ここまでして良かったのだろうか・・・?
長男の進学にあたってたくさんお金がかかっていたこともあり、
私は少し自信がなくなっていました。
でも。
実際の舞台を観るともう、感動の嵐!!!!!

感動の涙がつぎからつぎへと溢れました!
人が懸命に生きる姿って、なんてすばらしいんだろう。
それを、生身の人が目の前で演じる舞台って、なんてすばらしいんだろう。
歴史を感じる風格のある劇場の素敵さ、
この舞台を作り上げている人達の一体感・・・。
全てが感動で、
はらはらと落ちてくる涙を拭きながら、ずっとずっと拍手し続けました。
そして、
観劇が終わった後の家族の顔を見て、私は確信しました。

家族と一緒に観に来て、本当に良かった!
家族みんなが、本当に良い芸術を味わったという
輝くような、そして満足感あふれる、充実した表情をしていたからです。
「のびしろ育児」は、「本物」に触れることを大切にしてきました。
映像や録音ではない、生身の人間が織りなす「本物」。
そのことがどんなに心の畑を耕すかということを、私は感じていたからです。
そして今回改めて、実感したのです。

自分が良いと思った「本物」は、自信を持って勧めよう!
人生は、一度きり。
親子の時間も、有限です。
「忙しい」と言っていては、一生体験できません。
それを今回の「レ・ミゼラブル」に教えてもらいました。